01 社殿/塚
社殿は昭和32年(1957年)につくられました。建築様式は流造(ながれづくり)です。古くからの本殿は奥の院といい、石造の小祠(しょうし)でした。この柱石(ちゅうせき)には「長久三年(1042年)」と、熊野三山から神霊が勧請、奉斎された年が刻まれています。
社殿が安置する築山は、古墳であるといわれており、後に経塚として利用されたと考えられます。明治33年(1900年)の改築の際には、塚から平安時代の松喰鶴文鏡(まつくいづるもんきょう)と山吹文鏡(やまぶきもんきょう)の古鏡二面が発見されています。1800年代に刊行された『江戸名所図会』には、同じ場所から古鏡二面のほかに刀一振が発見されたが、祟りを恐れて埋め戻したという記載があります。